〖Ted〗ルールなしで会社を経営する方法:リカルド・セムラー

 

 

今回のTedトークはブラジルで学生に最も人気の高いコングロマリット企業セムコ社CEOであるリカルド・セムラー氏によるものです。

もし仕事が、あなたの人生を束縛しないとしたらどうでしょう?ブラジルで企業のCEOを務めるリカルド・セムラーは、過激な方法で、企業の民主主義を実践している。彼は、取締役会から社員の休日の報告方法(そんなこと必要ないのです)まで、あらゆることを見直した。それは、社員の英知に報い、ワーク・ライフ・バランスを促進し、さらには、仕事や人生とは本当はどうあるべきか、深い洞察に導いてもくれるのである。おまけの質問をひとつ ― もし学校もこんなふうだったら?


Ricardo Semler: Radical wisdom for a company, a school, a life

 

【人生終焉の日を考える】

彼は毎週月曜と木曜に死に方を学んでいると言う。「我が人生終焉の日」 と呼んでいる。妻のフェルナンダはこの呼び名が好きではないが、彼の家系では 多くが 悪性黒色腫で亡くなっていて 両親も祖父母もそうだった。それで彼はずっと考えている。 いつか医師の前に座った時、私の検査結果を見てこう言われるんじゃないかと 「リカルド あまり良くないね 余命は半年から1年だね」

すると人は死ぬまでに何をしようか考え始める。こんなふうに ― 「子供ともっと一緒に過ごそう、どこそこに出かけよう、山なんかに登ったり、それから 時間の余裕がある内にしておかなかったことを今から全てやろう」 しかし、もちろん お分かりのとおり これはとてもほろ苦い思い出になるだろう。実行するのは非常に難しく おそらく大半の時間泣き暮らすことになる。そのため、私はそうならないようにしたかった、と。

毎週月曜と木曜を 「人生終焉の日」にあてて、その2日間は悪い知らせを受けた時、するであろう事を何でもしておくことに決めた。

皆さんが「仕事」の逆を考える時 多くの場合思いつくのがオフタイムだ。「ちょっとオフが必要だ」 とか言ったりするだろう。でも、実際のところオフタイムはすごく忙しい。ゴルフに行き、テニスに行き、たくさんの人に会ってランチに行き、映画に遅れてしまう。やることがありすぎるのだ。「仕事」の反対は「暇」だが、ほとんどの人は 暇な時に何をすべきか知らない。普段どのように時間を配分しているかを見てみると、お金がたくさんある時期には時間がほとんどないことに気がつくでだろう。そして、ようやく時間ができた頃にはお金も健康も失っている。

そこでリカルド・セムラーはこの考えを自分の会社自体をそういう仕組みにすることを決めた。

 

【水曜日を休日にする代わりに、給料の10%を引く】

彼は社員に人生の時間配分を考えなさいと言った。お金は有るけど時間がないと考える人は多い。そこで、10%の給料を削ってもいいから、その分で家族との時間、自分の趣味の時間を買う。という仕組みを作った。この会社での導入において当初経営者は、
高齢層の社員が中心に利用するだろうと予想していたが、実際の制度利用者の平均年齢は29歳。

そこで彼は一つ一つ問い始めた。

・なぜ出社時間や退社時間を管理しているのか。

→社員から仕事を買えばいいだけではないか。

・なぜこんなにも立派な本社を建てているのか。

→結局は自分たちのエゴで手堅く、重要な大企業だと見せたいからなんじゃないか?

たくさんいろんな場所に事務所を作って、社員がそれぞれの自宅から近い好きなところで働けるようにした方が便利なのではないか?

・なんで上司が部下を勝手に決めるの?部下も上司を決めたい。部下が上司の面接をして、OKしたら上司にすればいいではないか。

・なぜ社員が自分の給料を決められないのか? 彼らは何を知る必要があるのか?

→知るべきなのは たった3つなのだ。社内の社員の給与、同業他社での社員の給与、経営が成り立つだけの利益を社全体で上げられているのか。

この3つの情報を社員に与えよう。それでカフェテリアにPCを置き、社員がいろいろ 調べられるようにした。個人の経費と売上、他社の利益はいくらで自社の利益はどうなのかマージンはどうかといった話は25年以上も前の話。

 

【英知を探すプロセス】

こういった情報が社員に届くようになると彼らはこう伝えた。経費明細書のチェックはしない、何日休暇をとるのかもどこで働くかも知る必要はない。彼らは一時期、街中に14のオフィスを構えていたが、家から一番近い、または今日訪問する顧客に一番近い オフィスに行きなさいと、どこにいるかを報告しなくてよいと。さらに社員が5千名いた時でも人事部には2人しかいなかった。ありがたいことに1人は定年退職した。

それで考えたのは社員をどう大事にするか?である。社員は私たちの唯一の財産なのだ。社員を追い回したり、子供扱いする部門は置かない。これから、うまく進みだしたのを感じつつ、彼らはある事を探求していた。それは彼が「人生終焉の日」や会社で探し求めていた中心的な事である。英知を得られる場をどうやって作りだすか。彼らは革命の年代を生きてきた。産業革命や情報革命、知識革命も。しかし、英知の時代にはそこまで近づけていない。英知をもっと得られる組織を作るにはどうしたらいいだろう? 例えば、往々にして最も賢い方針は嘘をつかない。彼らが社員に対する方針はこうだ。「製品を57個、1週間で売ってください。水曜までに売れたらどうかビーチに行ってください。製造や申請などの面倒を起こさないでください。新しい会社や競合他社の買収が必要になってしまいます。製品を売りすぎたために、あれもこれもする羽目になるんです。だからビーチに行って再開は月曜日にしてください 」と。

つまり、一週間で達成すべきノルマを2日で達成したら、それ以上仕事をするな。動くと他の人の仕事をまた増やしてしまうから面倒だ。ビーチにいって、来週の月曜日からまた仕事に来てくれということである。これが英知を探すプロセスなのだ。もちろんこのプロセスでは社員に全てを知ってもらい、経営方法を真に民主的なものにしたいと思っている。

【三回連続でなぜ?と問う】

そしてこのことが教えてくれるのは思うにこんな小さなことだ。日曜の夜の過ごし方は 学習してきた。家でメールしたり仕事したりする。しかし、ほとんどの人は月曜の午後に映画に行くことを学んでいない。もし英知を探しているならそういうことも学ばねばならない。そこで近年、彼らがしているのは非常にシンプルなことで、ちょっとした道具を使う。3回連続で「なぜ」と問うのだ。なぜなら1回目の「なぜ」は 上手く答えられるからだ。2回目になるとだんだん難しくなる。3回目には答えられないだろう。「あなたはなぜ それをしているのですか?」 私が皆さんに残したいのはその種であり 皆さんもこれを実行してみれば 同じ疑問を持つだろう。「なぜ?」と「なぜ自分はこれをしているのか?」

 

【最後に】

最後にクリスとリカルドの対談を載せておきます。興味のある方はぜひ見ていってください。そして、他にもいろんな面白いことを言っているので、20分とちょっと長い動画ではありますが、ぜひ見ていってください。

クリス・アンダーソン:リカルド あなたは なんていうか クレージーですね (笑) 多くの人は クレージーと言うでしょう にも拘らず じつに英知に満ちている 私の考えをまとめると こうなるのですが ― あなたの考えは 非常にラディカルです 例えば ビジネス界で この考えは 当面のところ 受け入れられていません おそらくこれを取り入れたビジネスが 占めるパーセンテージは 依然として非常に低いでしょう あなたは大企業が このアイデアを 1つでも実行したのを 見たことがありますか?

リカルド:ええ 時々見かけますよ 2週間くらい前にもね Virginグループでは 社員に言ったそうです 「ああ もう僕は君たちの休日を 管理したくない」と Netflixも あれこれ 少しやってますね ですが これが さほど重要とも思いません 発案者としては ちょっと見てみたい思いはありますが これは単なる 個人的な思いです 実際のところ 管理をなくすには とにかく信じてみることが必要です 管理下にある人で そんな覚悟のある人は ほぼいません 子供や 会社を違う形で 始めようとする人たちなら 持っているでしょうけどね

クリス:それが秘訣なんですね? あなたの観点を裏付ける証拠はある これが効果を上げた会社が ありますからね でも皆には勇気がないだけなんだ ― (ヒュー!)

リカルド:インセンティブもないでしょう 経営者は90日単位で 結果を求められています 四半期報告書のことです 90日間の状況が思わしくなければ クビです 「すごいプログラムがあるんだ 私の代のうちには・・・」 なんて言ったら 「出ていけ」と言われるでしょう これが問題ですね (笑)

クリス:教育での取り組みは 信じられないほど奥深いものです 皆 自国の教育システムを 苦々しく思っています Googleなどのテクノロジーによる世界に 誰もがまだ追いつけないでいるんです 子供たちはこの教育システムを経験し 今やあなたは確たる証拠を得ましたね つまり 成績の劇的な向上です これらのアイデアを推進するのに どんな手助けが必要ですか?

リカルド:良いタイミングの質問ですね 自分の考えの伝道者になろうとまでは 一度も思ったことがありません 言っておきますけどもね ふとしたことで見つけたんですが ― 日本には すごく怖いグループがあるんです 「セムラリスト」といって 120社が加入しています 彼らは私を招いてくれました 怖々行ってます オランダのグループには 600の小さな企業が加入しています これはメンバーが独自で 運営しているものです 誤解も含まれているでしょうが それは構いません なるようになるでしょう 私が恐いなと思うのは 別のタイプです 「これはすごく良いよ 君もやるべきだ」 「システムを立ち上げ 資金をたっぷりつぎ込もう」 そうなると人々は 内容の如何を問わず やるでしょう

クリス:それからあなたは 人生に対して 人並み外れた疑問を抱きましたね それが燃料となって 多くの活動に駆り立てたんだと思います TEDや観客の皆さんに 何かご質問はありますか?

リカルド:僕はこういう時いつも お決まりの質問をします もとは息子が3歳の時に 私に尋ねたことなんですよ ジャグジーにつかりながら 訊かれました 「パパ なぜ僕たちは存在するの?」 質問したいことは 他にはありません これ以外の問いなどないでしょう これを応用したのが 例の質問3連発です ですから会社や官庁、その他の組織で 時間を費やしている時 こう考えてみましょう ― 死の床でこう言う人が 果たしてどのくらいいるだろうか? 「もっと多くの時間を職場で過ごしたかった」 ですから必要なのは 「今」勇気を出すことだけなんです ― 1週間後とか 2か月後とか 何かきっかけが できた時じゃなくて ― 考えましょう 「なぜ それをやっているのか?」 全部やめましょう もっと他の事をしましょう それでうまくいくでしょう 今よりもずっと良い生活が 送れるでしょう もし行き詰まりを 感じているんならね

クリス:この良き日の終わりにふさわしい 奥深くてじつに美しい話でした リカルド ありがとう

リカルド:ありがとう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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長い年月を経て 願わくば皆さんにもっと英知に満ちた未来が 待っていますように。

 

 

 

奇跡の経営 一週間毎日が週末発想のススメ
 

 

 

 

 

 

〖Ted〗ルールなしで会社を経営する方法:リカルド・セムラー

 

今回のTedトークはブラジルで学生に最も人気の高いコングロマリット企業セムコ社CEOであるリカルド・セムラー氏によるものです。

もし仕事が、あなたの人生を束縛しないとしたらどうでしょう?ブラジルで企業のCEOを務めるリカルド・セムラーは、過激な方法で、企業の民主主義を実践している。彼は、取締役会から社員の休日の報告方法(そんなこと必要ないのです)まで、あらゆることを見直した。それは、社員の英知に報い、ワーク・ライフ・バランスを促進し、さらには、仕事や人生とは本当はどうあるべきか、深い洞察に導いてもくれるのである。おまけの質問をひとつ ― もし学校もこんなふうだったら?


Ricardo Semler: Radical wisdom for a company, a school, a life

 

【人生終焉の日を考える】

彼は毎週月曜と木曜に死に方を学んでいると言う。「我が人生終焉の日」 と呼んでいる。妻のフェルナンダはこの呼び名が好きではないが、彼の家系では 多くが 悪性黒色腫で亡くなっていて 両親も祖父母もそうだった。それで彼はずっと考えている。 いつか医師の前に座った時、私の検査結果を見てこう言われるんじゃないかと 「リカルド あまり良くないね 余命は半年から1年だね」

すると人は死ぬまでに何をしようか考え始める。こんなふうに ― 「子供ともっと一緒に過ごそう、どこそこに出かけよう、山なんかに登ったり、それから 時間の余裕がある内にしておかなかったことを今から全てやろう」 しかし、もちろん お分かりのとおり これはとてもほろ苦い思い出になるだろう。実行するのは非常に難しく おそらく大半の時間泣き暮らすことになる。そのため、私はそうならないようにしたかった、と。

毎週月曜と木曜を 「人生終焉の日」にあてて、その2日間は悪い知らせを受けた時、するであろう事を何でもしておくことに決めた。

皆さんが「仕事」の逆を考える時 多くの場合思いつくのがオフタイムだ。「ちょっとオフが必要だ」 とか言ったりするだろう。でも、実際のところオフタイムはすごく忙しい。ゴルフに行き、テニスに行き、たくさんの人に会ってランチに行き、映画に遅れてしまう。やることがありすぎるのだ。「仕事」の反対は「暇」だが、ほとんどの人は 暇な時に何をすべきか知らない。普段どのように時間を配分しているかを見てみると、お金がたくさんある時期には時間がほとんどないことに気がつくでだろう。そして、ようやく時間ができた頃にはお金も健康も失っている。

そこでリカルド・セムラーはこの考えを自分の会社自体をそういう仕組みにすることを決めた。

 

【水曜日を休日にする代わりに、給料の10%を引く】

彼は社員に人生の時間配分を考えなさいと言った。お金は有るけど時間がないと考える人は多い。そこで、10%の給料を削ってもいいから、その分で家族との時間、自分の趣味の時間を買う。という仕組みを作った。この会社での導入において当初経営者は、
高齢層の社員が中心に利用するだろうと予想していたが、実際の制度利用者の平均年齢は29歳。

そこで彼は一つ一つ問い始めた。

・なぜ出社時間や退社時間を管理しているのか。

→社員から仕事を買えばいいだけではないか。

・なぜこんなにも立派な本社を建てているのか。

→結局は自分たちのエゴで手堅く、重要な大企業だと見せたいからなんじゃないか?

たくさんいろんな場所に事務所を作って、社員がそれぞれの自宅から近い好きなところで働けるようにした方が便利なのではないか?

・なんで上司が部下を勝手に決めるの?部下も上司を決めたい。部下が上司の面接をして、OKしたら上司にすればいいではないか。

・なぜ社員が自分の給料を決められないのか? 彼らは何を知る必要があるのか?

→知るべきなのは たった3つなのだ。社内の社員の給与、同業他社での社員の給与、経営が成り立つだけの利益を社全体で上げられているのか。

この3つの情報を社員に与えよう。それでカフェテリアにPCを置き、社員がいろいろ 調べられるようにした。個人の経費と売上、他社の利益はいくらで自社の利益はどうなのかマージンはどうかといった話は25年以上も前の話。

 

【英知を探すプロセス】

こういった情報が社員に届くようになると彼らはこう伝えた。経費明細書のチェックはしない、何日休暇をとるのかもどこで働くかも知る必要はない。彼らは一時期、街中に14のオフィスを構えていたが、家から一番近い、または今日訪問する顧客に一番近い オフィスに行きなさいと、どこにいるかを報告しなくてよいと。さらに社員が5千名いた時でも人事部には2人しかいなかった。ありがたいことに1人は定年退職した。

それで考えたのは社員をどう大事にするか?である。社員は私たちの唯一の財産なのだ。社員を追い回したり、子供扱いする部門は置かない。これから、うまく進みだしたのを感じつつ、彼らはある事を探求していた。それは彼が「人生終焉の日」や会社で探し求めていた中心的な事である。英知を得られる場をどうやって作りだすか。彼らは革命の年代を生きてきた。産業革命や情報革命、知識革命も。しかし、英知の時代にはそこまで近づけていない。英知をもっと得られる組織を作るにはどうしたらいいだろう? 例えば、往々にして最も賢い方針は嘘をつかない。彼らが社員に対する方針はこうだ。「製品を57個、1週間で売ってください。水曜までに売れたらどうかビーチに行ってください。製造や申請などの面倒を起こさないでください。新しい会社や競合他社の買収が必要になってしまいます。製品を売りすぎたために、あれもこれもする羽目になるんです。だからビーチに行って再開は月曜日にしてください 」と。

つまり、一週間で達成すべきノルマを2日で達成したら、それ以上仕事をするな。動くと他の人の仕事をまた増やしてしまうから面倒だ。ビーチにいって、来週の月曜日からまた仕事に来てくれということである。これが英知を探すプロセスなのだ。もちろんこのプロセスでは社員に全てを知ってもらい、経営方法を真に民主的なものにしたいと思っている。

【三回連続でなぜ?と問う】

そしてこのことが教えてくれるのは思うにこんな小さなことだ。日曜の夜の過ごし方は 学習してきた。家でメールしたり仕事したりする。しかし、ほとんどの人は月曜の午後に映画に行くことを学んでいない。もし英知を探しているならそういうことも学ばねばならない。そこで近年、彼らがしているのは非常にシンプルなことで、ちょっとした道具を使う。3回連続で「なぜ」と問うのだ。なぜなら1回目の「なぜ」は 上手く答えられるからだ。2回目になるとだんだん難しくなる。3回目には答えられないだろう。「あなたはなぜ それをしているのですか?」 私が皆さんに残したいのはその種であり 皆さんもこれを実行してみれば 同じ疑問を持つだろう。「なぜ?」と「なぜ自分はこれをしているのか?」

 

【最後に】

最後にクリスとリカルドの対談を載せておきます。興味のある方はぜひ見ていってください。そして、他にもいろんな面白いことを言っているので、20分とちょっと長い動画ではありますが、ぜひ見ていってください。

クリス・アンダーソン:リカルド あなたは なんていうか クレージーですね (笑) 多くの人は クレージーと言うでしょう にも拘らず じつに英知に満ちている 私の考えをまとめると こうなるのですが ― あなたの考えは 非常にラディカルです 例えば ビジネス界で この考えは 当面のところ 受け入れられていません おそらくこれを取り入れたビジネスが 占めるパーセンテージは 依然として非常に低いでしょう あなたは大企業が このアイデアを 1つでも実行したのを 見たことがありますか?

リカルド:ええ 時々見かけますよ 2週間くらい前にもね Virginグループでは 社員に言ったそうです 「ああ もう僕は君たちの休日を 管理したくない」と Netflixも あれこれ 少しやってますね ですが これが さほど重要とも思いません 発案者としては ちょっと見てみたい思いはありますが これは単なる 個人的な思いです 実際のところ 管理をなくすには とにかく信じてみることが必要です 管理下にある人で そんな覚悟のある人は ほぼいません 子供や 会社を違う形で 始めようとする人たちなら 持っているでしょうけどね

クリス:それが秘訣なんですね? あなたの観点を裏付ける証拠はある これが効果を上げた会社が ありますからね でも皆には勇気がないだけなんだ ― (ヒュー!)

リカルド:インセンティブもないでしょう 経営者は90日単位で 結果を求められています 四半期報告書のことです 90日間の状況が思わしくなければ クビです 「すごいプログラムがあるんだ 私の代のうちには・・・」 なんて言ったら 「出ていけ」と言われるでしょう これが問題ですね (笑)

クリス:教育での取り組みは 信じられないほど奥深いものです 皆 自国の教育システムを 苦々しく思っています Googleなどのテクノロジーによる世界に 誰もがまだ追いつけないでいるんです 子供たちはこの教育システムを経験し 今やあなたは確たる証拠を得ましたね つまり 成績の劇的な向上です これらのアイデアを推進するのに どんな手助けが必要ですか?

リカルド:良いタイミングの質問ですね 自分の考えの伝道者になろうとまでは 一度も思ったことがありません 言っておきますけどもね ふとしたことで見つけたんですが ― 日本には すごく怖いグループがあるんです 「セムラリスト」といって 120社が加入しています 彼らは私を招いてくれました 怖々行ってます オランダのグループには 600の小さな企業が加入しています これはメンバーが独自で 運営しているものです 誤解も含まれているでしょうが それは構いません なるようになるでしょう 私が恐いなと思うのは 別のタイプです 「これはすごく良いよ 君もやるべきだ」 「システムを立ち上げ 資金をたっぷりつぎ込もう」 そうなると人々は 内容の如何を問わず やるでしょう

クリス:それからあなたは 人生に対して 人並み外れた疑問を抱きましたね それが燃料となって 多くの活動に駆り立てたんだと思います TEDや観客の皆さんに 何かご質問はありますか?

リカルド:僕はこういう時いつも お決まりの質問をします もとは息子が3歳の時に 私に尋ねたことなんですよ ジャグジーにつかりながら 訊かれました 「パパ なぜ僕たちは存在するの?」 質問したいことは 他にはありません これ以外の問いなどないでしょう これを応用したのが 例の質問3連発です ですから会社や官庁、その他の組織で 時間を費やしている時 こう考えてみましょう ― 死の床でこう言う人が 果たしてどのくらいいるだろうか? 「もっと多くの時間を職場で過ごしたかった」 ですから必要なのは 「今」勇気を出すことだけなんです ― 1週間後とか 2か月後とか 何かきっかけが できた時じゃなくて ― 考えましょう 「なぜ それをやっているのか?」 全部やめましょう もっと他の事をしましょう それでうまくいくでしょう 今よりもずっと良い生活が 送れるでしょう もし行き詰まりを 感じているんならね

クリス:この良き日の終わりにふさわしい 奥深くてじつに美しい話でした リカルド ありがとう

リカルド:ありがとう。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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長い年月を経て 願わくば皆さんにもっと英知に満ちた未来が 待っていますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

〖Ted〗人生を幸せにする最大のものとは。:ロバート・ウォールディンガー

 

今回のTedトークアメリカの心理学者ロバート・ウォールディンガー氏によるものです。

一生を通し、私達を幸福で健康にするものは何でしょう?名声や富 ― そう考える人はたくさんいる。しかし、心理学者ロバート・ウォールディンガーに拠ると、それは間違っている。75年に渡る成人発達に関する研究のディレクターであるウォールディンガーは、真の幸福と満足感に関する無類のデータを基に、この研究結果が私達に教える3つの重要な教訓と、昔からの知恵、幸せな長寿の秘訣を、このトークで語る。


What makes a good life? Lessons from the longest study on happiness | Robert Waldinger

 

 

【初めに】

一生を通して私たちを 健康で幸福にしてくれるのは何でしょう? 最高の未来の自分に 投資するなら 自分の時間とエネルギーを 何に使いますか? 彼は新世紀世代を最近調査し 最も大切な人生の目的は 何かと訊ねた。 80%以上の答えは 主な人生の目的は 富を蓄える事で その同じ若者の50%の もう1つの大きな目的は 有名になる事であった。

現代では働き、更なる努力をし、もっと成果を出すようにと 常に求められている世の中である。良い人生を送る為にはそうする必要があると誰もが思わされている。自分の全人生を、 自分の選択がどう人生を描いて行くかを予測するなんて殆ど不可能である。人の人生に関してその人の過去を思い出してもらう事で分かるが、ご存知のようにそれはあまり頼りにはならない。 過去に起きた内の膨大な量は忘れ去られ時には、完全に創作された記憶さえある。

そこで人々を10代の頃から老年まで追い、幸福と健康の持続に本当に何が必要なのか探索しようと始めたのが彼の研究である。

 【孤独は害】

ハーバード成人発達研究は史上最も長期に渡って成人を追跡した研究である。75年間724人の男性を追跡し、毎年仕事や家庭生活、健康などを記録した。

 

これから人間関係に関して大きな教訓があった。それは、周りとの繋がりは健康に本当に良いという事、家族、友達などコミュニティとよく繋がっている人程幸せであり、長生きするという事が分かった。反対に、孤独は命取りで害となるという研究結果が出た。

孤立化を甘んじて受け、生活している人はあまり幸せに感じていない。中年になり健康の衰えは早く、脳機能の減退も早期に始まり孤独でない人より寿命は短くなる。 悲しい現実だが、これから先いつでもアメリカ人の2割以上は孤独だと回答するだろう。

 

【愛情のある人間関係が重要である】

 

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孤独は害だと説明したが、群衆の中や結婚生活の中でも孤独を感じることはある。つまり、ここで重大な事は友人の数だけがものをいうのではなく、生涯を共にする相手の有無でもない。

重要なのは、身近な人達との関係の質である。 争いの真っただ中で暮らすのは健康に悪い事が分かっている。例えば、愛情が薄い喧嘩の多い結婚は健康に悪影響を及ぼし恐らく離婚より悪いだろう。愛情のある良い関係は人を保護する。

 

【良い人間関係は脳をも守る】

人間関係と健康に関して、良い関係は身体の健康だけでなく脳をも守ってくれる。堅固な良い関係をしっかりと80代にまで持ち続ける人は、その関係に守られている。そういう関係にいる人、何かあった時本当に頼れる人がいる、と感じている人の記憶は、はっきりしているということが分かった。一方、パートナーには全く頼れないと感じている人には記憶障害が早期に現れ始めることも分かった。良い人間関係といっても波風がない訳ではない。ある80代のカップルは明けても暮れても小言を言い合っているかも知れないが、お互い頼り合えると感じている限り彼らが苦難に遭遇した時、口論しても後々まで残るという事はなかった。

 

【人生を幸せにする最大のものとは良い人間関係である。】

 親密で良い関係は抱括的に私たちに益となっているという教えは今に分かった事ではありませんね。何故そんな関係は築き難く無視され易いのか。誰もそうですが私たちは手っ取り早く、手に入れられる生活を快適に維持してくれるものが大好きだ。人間関係は複雑に込み入っている。家族や友達との関係をうまく維持して行くのは至難の業である。その地道な努力は地味でその上その仕事は死ぬまで続く。75年間に渡る研究で定年退職後一番幸福な人は、仕事仲間に代わる新しい仲間を自ら進んで作った人達である。最近の調査での新世紀世代のように、この研究の参加者の多くは彼等が青年期に入った時、名声や富や業績が良い生活をするには 必要なものだと本当に信じていたが、75年もの間、彼のの研究で繰り返し繰り返し示されたのは最も幸せに過ごして来た人は人間関係に頼った人々だということであった。それは家族や友達、コミュニティだったり様々である。

 

【最後に】

あなたに出来る事は実際 無限にある。テレビやPCの前の時間を人と過ごす時間に充てる、新鮮さを失った関係を活気づける為何か新しい事をパートナーとする、長い散歩とかデートなどである。また何年も話していない家族に連絡を取るのも1つの方法である。よくある家族のいざこざは遺恨を抱く人々に ひどい悪影響を及ぼすからだ。

最後にマーク・トウェインの言葉を引用して終わる。一世紀以上むかし、彼は人生を振り返りこう書いた。「かくも短い人生に 諍い 謝罪し 傷心し 責任を追及している時間などない 愛し合う為の時間しかない それが例え一瞬にすぎなくとも」

 

最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

良い人生は良い人間関係で築かれます。

 

 

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

学びを結果に変えるアウトプット大全 (Sanctuary books)

  • 作者:樺沢紫苑
  • 発売日: 2018/08/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

 

〖Ted〗人を惹きつける話し方:ジュリアン・トレジャー

 

せっかく話しているのに、誰も話を聞いていない―そんな経験はありませんか? そんなあなたに、ジュリアン・トレジャーが救いの手を差し伸べる。この実用的なトークで、音の専門家 ジュリアンが紹介するのは、簡単な声のエクスサイズから感情をこめて話すコツまで「力強く話す」ためのHow toである。このトークは、きっと世界の音をより美しいものにしてくれることだろう。


How to speak so that people want to listen | Julian Treasure

 

 

 

【初めに】

人間の声は誰もが奏でるものだが、世界で最も力強い音だと言える。戦争を始め、愛を伝えられるのは人間の声だけだ。しかし、話しているのに 誰も聞いていないという経験をされた方も多いだろう。なぜだろう?どうすれば力強く話し、世界を変えられるのだろうか。

ここでは「避けるべき習慣」「話すときに意識すべきこと」「伝えるために話すための道具」と順に追って説明していく。

彼が提案したいのは、悪しき習慣を止めることである。皆さんのためにここに 「話者の七つの大罪」を用意した 。網羅的なものだと言うつもりはありませんが 、この7つは かなり影響が大きい私たちが陥りがちな悪習慣である。

 

七つの大罪

 

1:うわさ話

その場にいない人の悪口を言うこと。良い習慣ではないですね。ご承知のとおり、悪口を聞いて5分後にはその悪口を言っていた人は私たちのことを噂している。

2:批評

記事を読んでいる方の中にも思い当たる人いますよね。聞く気になりませんよね。自分が批評の対象となり、ダメ出しをされているのだから。

3:ネガティブさ

後ろ向きになることもありますよね。誰も相手の「ネガティブな話」を聞きたいとは思っていない。もちろん状況にもよるが、たいていの場合は「新たな知識を得たい」「価値観を吸収したい」等の「ポジティブな期待」を抱いて話を聞いている。

4:不平

イギリスのお国芸だが、国技でもありますね。天気やスポーツ、政治など、何にでも不平を漏らす。でも、不平なんて不幸を撒き散らすだけで、世界に温かさや光をもたらしてはくれない。

5:言い訳

言い訳がましい人がいますよね。身に覚えもあるだろうか。責任転嫁ばかりする人もいいる。他人に責任をなすりつけ、自らの行動に責任を取らない。そんな人の話はやはり聞いていられない。

6:脚色・誇張

ときに言葉の格を落とす。「すごい」を連発していたら、いざ何か本当に「すごい」ものを見てもそれを表現する言葉がない。当然、この誇張は噓にも繋がる。嘘ばかりではやがて、誰も耳を貸さなくなる。

7:独占的

最後は、独善的になり、事実と意見を混同することだ。この二つをごっちゃにしてしまうと、何も耳に入ってこない。誰かに自分の意見をさも事実かのようにぶつけられても、聞けたものではないだろう。

 

以上が、話者の七つの大罪Seven deadly sins of speaking)である。つまり、スピーキングをするときに私たちが避けるべきことである。でも、前向きに取り組むこともできるだろうか? ええ、できます。私たちの話に力を与え、世界を変えるために私たちが立脚すべき4つの強力な礎がある。4つの頭文字を取るとある言葉になる。「HAIL」だ。Hail といっても 空から降ってくる「あられ」のことではなく、「熱烈に歓迎し称賛する」という意味である。この4つを拠り所にして、言葉を届けるとそんな反応が返ってくるだろう。

 

【話すときに意識すべきHAIL】

 

  •  H…Honesty(正直さ)

be clear and straight.  真実を話し、率直に明快であること。

 

  •  A…Authenticity(素直さ)

be yourself.  ありのままでいること(自らの真実に立脚すること)。

 

  •  I…Integrity(誠実さ)

be your word. 自らの言葉のまま有言実行し、信頼される人物になる。

 

  • L…Love(愛)

wish them well.  ロマンチックな愛ではなく、みんなの幸せを願う愛。これには二つの理由がある。一つは、絶対的な正直さが全てではないからだ。「わあ、今日は酷い顔だね」とか、そんな言葉はいらない。愛で和らげれば、正直さは素晴らしいものになる。また、本当に誰かの幸せを願えば、その人の批評をすることは難しくなる。

 

【話すための道具】

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何かを言うということは、古い歌にもあるとおり内容とともに伝え方も大事なのだ。皆さんには素晴らしい道具箱がある。「のど」というのはすごい楽器で道具箱でもあるのだが、使いこなしている人は少数しかいない。ここで道具箱を開けて中にある道具を取り出してみよう。皆さん持って帰ってお使いになれば話す力を高めることができる。ここでは五つの道具を紹介する。

 

 1:Register(声域)

 裏声はたいてい役に立たないが、その間の声域もある。声の専門家もいるでしょうから あまり深入りはしませんが、声を出す場所を変えられる。鼻から話してみよう。さらに のどで話してみよう。ほとんどの方は、ここから声を出しますね。でも、もっと重みを加えたいならもっと下 ― 胸から出そう。違いが分かるでしょう? 低い声の政治家に投票するという事実もある。というのも、私たちは深さを力や権力と結びつけるからだ。それが声質なのだ。

 

 2:Timble(声色)

声の質感である。研究によれば、「豊かで滑らかで温かみのある声」が好まれる。ホットチョコレートのような声である。あなたの声がそうでなくとも悲観する必要はない。息づかいや姿勢、練習によってあなたは見違えるように声質を改善できる。

 

 3:Prosody(韻律・プロソディー)

抑揚や、言葉に意味を添えるメタ言語で、これこそ「会話の醍醐味」です。ずっと同じ調子で話されると聞く気が起きませんよね。それはとても残念なことですから、この癖は ぜひともなくそう。

 

 4:Pace(ペース)

とても早く話すとすごく興奮している感じになる。一方、ゆっくり話すと協調できる。究極は、よくご存知の「沈黙」です。感情の高ぶりは普通「音高(ピッチ)」とテンポで表現するが、実は音高だけでも可能なのだ。僕のカギをどこに置いた? 僕のカギをどこに置いたんだよ?といった音高を変えると少し違う意味になる。

 

 5:Volume(声量)

 声量によって興奮した感じにできる。あるいは、とても静かに話すことで注意を引きつけられる。大音量でずっと話す人もいますが、それは避けよう。それこそ「大迷惑」というもので何も考えず、まわりの人に自分の音を無神経に押しつけているだけだ。

 

以上が相手に話を伝える際に役立つ話すための道具である。こうしたことは何か重要なことを伝えるときに役立ってくる。こんな風にステージで話すときかもしれないし、結婚のプロポーズをするとき賃上げ交渉や結婚式でのスピーチかもしれない。それが何であれここぞというときには、ぜひこの道具箱を見て、これから使うエンジンも確認しよう。 エンジンは温めなければ動かない。声もウォーム・アップしよう。

 

【最後に】

 

今の私たちはこんな状況だ。雑音や騒音が渦巻く環境で聞いてくれない人を相手に、あまり上手くない話をしている。このことについて、私はここで様々な側面から説明してきた。もし私たちが、意識的に聴く人を相手に目的にふさわしい環境で力強く話せたら 世界はどんな風になるだろう? もっと言えば、もし私たちが音を意識的に創り出し意識的に受け止め、すべての環境を音を意識してデザインしたら世界はどうなるだろう? 世界には音が美しく響き、そこでは相互理解が当たり前になるだろう。これこそ広める価値のあるアイデアなのだから。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

伝え方によって、きっと世界の音をより美しいものにしてくれることだろう。

 

 

 

 

 

 

 

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

スティーブ・ジョブズ 驚異のプレゼン

 

 

 

 

〖Ted〗嘘の見抜き方:パメラ・メイヤー

 

今回のTedトークスは嘘の見抜き方(How to spot a liar)について語ったパメラ・メイヤー氏によるものです。

私たちは1日に10~200回ほど嘘をつかれており、嘘を見抜く手掛かりはとてもとらえにくく、また直感で自然に分かるものでもない。「しょっちゅうウソをつかれてしまうあなたへ 」の著者パメラ・メイヤーが、嘘の手法と、嘘が多く使われている場面でどうやって訓練をした「嘘を見抜く専門家(嘘発見人)」が嘘の検知を行うのか、その方法を見せてくれる。 また「正直さ」は守るべき価値観であると彼女は主張している。


How to spot a liar | Pamela Meyer

【初めに】

皆さんを警戒させるつもりはありませんが、気がついたのでお知らせします。あなたの右隣の人は嘘つきだ。左隣の人も嘘つき。そして、あなたの周りにいる皆さん自身が嘘つきである。私たちはみな嘘つきなのだ。今回は、私たちがなぜ嘘つきなのかについての研究結果をお見せし、どうすれば嘘を検知できるようになるのか。また、私たちはなぜ 嘘を見抜き、真実をみつけ最終的に信頼関係を築くために努力しようとするのかについてお話したいと思う。

 

【嘘の本質とは】

「誰もが 己の願望のためには 進んで何かを差し出すものだ」 これが嘘の本質なのだ。 あなたが騙されたくないと思うのなら自分の願望を知る必要がある。私たち皆が認めたくないことだ。「もっと良い夫に、妻になりたい」「もっと賢くなりたい」「もっと権力を持ちたい」「背が高くなりたい」「お金持ちになりたい」と、望みは尽きない。私たちの願いや夢想と現実の差を埋めようとするのが嘘なのだ。実際の自分と こうありたい自分こんな風だったらと思う自分との差。私たちは進んで現実との差を嘘で埋めようとする。

 

【人間は嘘をつく生き物】

研究によると、私たちは毎日 10回から200回嘘をつかれている。確かにうした嘘の多くは罪のないものである。別の研究によると 初めて会う人同士は最初の10分で 3回嘘をつくという結果もでている。この結果を信じない人もいるが、それは、これほどにも 嘘が溢れているとは信じられないからである。私たちは本質的に嘘を嫌う。しかし、もっと詳しく見てみると事態はいっそう込み入っている。私たちは職場の同僚より見知らぬ人により嘘をつく。外向型の人は内向型の人よりもより嘘をつく。男性は他人のことより自分のことについて8倍嘘をつく。 女性は他の人を守るためにより嘘をつく。もしあなたが平均的な夫婦なら 10回の会話で1回は 嘘をついている。これはひどいと思われるだろうが、独身なら3回に1回に増える。

【嘘をつく時のしぐさ】

一つ目はボディランゲージ。しぐさについては思いこみを一度全部捨てて、科学によって考え方を少し変えてみよう。私たちは嘘つきは始終そわそわしていると思っているが、嘘をついているときは上半身を動かさない。嘘つきは目を見ないと思っていますが 嘘つきはこのことを逆手にとって、余計に長く目を見つめる。熱心さやほほえみは正直さや親密さをあらわすと思われているが、訓練された嘘発見人は偽の微笑みを1キロ先からでも見抜くことができる。どちらが偽の笑いかわかりますか? ほほの筋肉は意識して動かすことができるが、本物の笑みの場合は目じりに小じわができる。ボトックス注射をしすぎると特に目の筋肉は動かせなくなるのでやりすぎに注意。誰もあなたを信頼しなくなりますよ。

二つ目は態度。これは詐欺や犯罪を犯した際の取り調べでの研究結果であるが、無実な人は協力的であなたの味方だという態度を示し、熱心に自分から進んで 真実をみつける 手助けをしようとする。一緒に考え、疑わしい人の名前をあげたり詳細な話をする。例えば、こんなことを言うかもしれない。「給料を改ざんしたのは給与計算課のあいつかもしれません」と。 無実の人は不当に疑われていることがわかったら一瞬ではなく、 取り調べの間ずっと激昂する。 改ざんの犯人に対して どんな処罰を与えるべきか無実な人に質問すると、寛大ではない厳しい処置をするべきだと答えることが多い。

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では、これと全く同じ質問を嘘を付いている人にしてみるとしよう。その人は体を遠ざけて下を向き、声を低くし尻込みし、ぎこちない態度をとる。嘘をついている人に話をさせると重要でないすべてのところに細かい説明をつけすぎる。そして、厳密に時系列に話をする。訓練された尋問者は、数時間にわたる尋問でさりげなく少しずつ検証する。 同じ話を逆さまに話してください、と頼んでその人が落ち着かない時を探し、どの質問が最も疑わしい兆候があったのかを見極める。

なぜこの方法なのか?人は同じように準備するからだ。嘘をつくときに話のおさらいはするが、身振りまでは練習しない。「はい」といいつつ頭を「いいえ」と振ったり、非常に説得力のある話をしながら肩をわずかにすくめたりする。恐ろしい犯罪を犯した時に、逃れられた安堵から笑みを浮かべる。この笑みは「duping delight(欺瞞者の喜悦)」として知られている。

 

【真実を見抜く】

真実がどのように表されるのかについての科学技術は進歩している。例えば、視線追跡装置や赤外線脳スキャン、嘘をつこうとしている時に体から発される信号を解読するMRIなどがある。こうした技術が世界中に売り込まれるだろう。 いつの日か詐欺に対する万能薬として、こうした機器は非常に便利になるだろう。しかし、それまでは自力で嘘をみつけなければならない。人と対面する時、協力してもらうとしたら嘘を見抜く訓練を受けた人と180キロの嘘発見器を引きずって持ち込もうとしている人。どちらがいいだろうか?

嘘発見人は人間的手段に頼る。それは、誰かが言った「影に隠れた人格」のことをよく知っているからだ。ただ、それなのに面白いことは今の私たちには影がほとんどないことである。私たちは24時間白日のもとにいる。私たちの世界はつつぬけ。

今もこうして、ブログやSNSで自分達の生活を公開することを選んだ全く新しい世代の人々が、噂話を公開している以前に比べて遙かに真実が見えにくくなった世界である。私たちに与えられた一つの課題は、過度な共有は正直さではないということを覚えておくことだ。熱狂的なツイートやテキストメッセージは、さりげなく表される良識や高潔さが常に大切であり、これからも大切だということを見失わせてしまう。つまり、この真実が見えなくなった世界で私たちに必要なのは、今までよりもほんの少し自分の道徳基準を明確に示すことだ。

科学的な嘘識別とよく見て聞き出す技を組み合せれば、科学的な嘘識別とよく見て聞き出す技を組み合わせれば、嘘に乗せられずにすむ。あなたは今よりほんの少し、明確に示す生き方を始める。なぜなら、あなたは周囲の人に対して 「私の 私たちの世界を 正直な世界にするの 真実が力を増し、偽りは悟られてしまって効果の無い世界になる」と言うからだ。これを実践していけば、周りがほんの少しずつ変わり始める。

それこそが真実なのだから。

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【最後に】

最後まで読んでいただきありがとうございました。

現代では様々な間違った情報がSNS上であふれかえっている。その中で、正しい情報を読み取り真実を見極める能力を培ってほしい。皆さんによい人生が訪れますように。

 

 

しょっちゅうウソをつかれてしまうあなたへ

しょっちゅうウソをつかれてしまうあなたへ

 

 

 

嘘の見抜き方 (新潮新書)

嘘の見抜き方 (新潮新書)

  • 作者:若狭 勝
  • 発売日: 2013/05/17
  • メディア: 単行本
 
元刑事が教える ウソと心理の見抜き方 (アスカビジネス)
 

 

 

〖Ted〗内向的な人が秘めている力とは。:スーザン・ケイン

 

 

 

今回のTedトークは弁護士・作家のスーザン・ケイン氏によるものです。

 社交的で活動的であることが何より評価される文化において、内向的であることは肩身が狭く、恥ずかしいとさえ感じられる。しかし彼女はこの情熱的な講演で、内向的な人は世界にものすごい才能と能力をもたらしているのであり、内向性はもっと評価され奨励されてしかるべきだと言う。


The power of introverts | Susan Cain

 

 

【内向的傾向にある人】

スーザン・ケイン自身も子供のころから周りに静かで内向的なのは正しくない、もっと外向的になるよう努力すべきだというメッセージを、いつも受け取っていた。そして心の中で、そんなの間違っている、内向的なことに悪いことなんてないのにと感じていた。

内向的な人ほど本当は友達と落ち着いて食事する方が好きなのに外交的に振舞おうとする傾向がある。しかし、本人にとって損なことだが、同時に同僚やコミュニティにとっても損失であり、大げさに聞こえるかもしれませんが、世界にとっても損失なのだ。

なぜなら、クリエイティビティやリーダーシップという面で内向的な人に実力を発揮してもらう必要があるからだ。全人口の1/3から1/2は内向的である。皆さんの知り合いの3人か2人に1人は内向的だということ。だから、自分は外向的だったとしても、同僚や配偶者や子どもたちや今隣に座っている人は内向的かもしれない。その人たちはみんな、社会に深く根ざした現実の偏向によって不利を被っているのだ。私たちはみんな、それを言い表す言葉も知らない幼い時期から、それを内面化している。

 

【内向的なリーダーは外交的なリーダーよりも良い結果を生む】

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多くの場合チームリーダーに選ばれるのはきっとこんなイメージの人物ではないだろうか。決断が早く、コミュニケーションが上手で、リスクを恐れずに、行動する。しかし、ウォートン経営大学院のアダム・グラント氏が行った研究結果ではそれとは反対の検証結果が出されている。

検証でいくつかのチームのタスク処理スピードなどを測った結果、内向的なリーダーは、外向的なリーダーよりも良い結果を生むことが多かった。後者は気づかぬうちに何でも自分で仕切ることに夢中になってしまう傾向があり、他の人の発言にも恐怖を感じるなど、他の人のアイデアがなかなか表に出なくしてしまうのだ。

反対に、内向的なリーダーはというと、内向的なリーダーは積極的な社員がアイデアを出して活躍できるようにさせ、メンバーの発言の要素を冷静に判断し、より効率的な方法を検討することができた。

 

実際歴史上で変革を成し遂げたリーダーには内向的な人がたくさんいる。たとえばエレノア・ルーズベルトローザ・パークスガンジー。彼らはみんな自分を無口で静かな話し方をする、むしろ内気な人間だと言う。そして彼らは表に立つことを嫌っていたにもかかわらず、世の注目を浴びることになった。そのこと自体が彼らに特別な力を与えている。人に指図したり注目を浴びるのが好きでやっているのではなく、自分が正しいと信じることのため他に選択肢がなくてやったのだと、みんな気づくのだ。

 

【社会として両者をバランスよくする必要がある】

ここで彼女の考え方で誤解されてほしくないことは、彼女は実際外向的な人たちが好きだということだ。彼女の最も親しい人の何人かは、私の主人も含め、とても外向的である。そして私たちはみんな、極端な内向から極端な外向までの間のどこかにあたる。内向的・外向的という言葉を広めたカール・ユングさえ、純粋に内向的な人や純粋に外向的な人というのはいなくて、たとえいたとしても精神病院の中だろうと言う。

内向的と外向的のちょうど中間というような人たちもいて、両向型と呼ばれる。彼らは両方の良い面を併せ持っているように見えるが、多くの人は自分を内向的か外向的かのどちらかだと思っている。

彼女が言いたいのは、社会として両者をもっとうまくバランスさせる必要があるということであり、陰と陽のように両方必要なのだ。これは特に創造性とか生産性といった面で重要になる。極めて創造的な人々の人生を心理学者が研究したところ、彼らはイデアを交換し発展させることに優れている一方、非常に強い内向的な面を持つことが分かった。孤独が得てして創造性の重要な要素になっているからだ。ドクター・スースとして知られるセオドア・ガイゼルは、あの数々の素晴らしい創作をカリフォルニア州ラホヤの自宅裏にある孤独な塔のような書斎で生み出した。彼は実際、読者である小さな子どもたちに会うのを怖れていた。陽気なサンタみたいな人を想像している子どもたちを、無口な自分はがっかりさせてしまうと思ったからだ。最初のアップルコンピュータを作ったウォズニアックは、当時働いていたHPでいつも自室に1人閉じこもっていまた。子どもの頃いつも家に閉じこもっているような内向的な性格でなければ、技術を極めることもなかっただろうと言う。

【現代の考え方】

今の教室や職場はどうでしょう?グループ行動が当たり前で単独で行動することを好む子は、はぐれ者とか、さらには問題児と見られてしまうことでしょう。しかし、現代心理学の知見に照らすなら、これは不思議なことでも何でもない。グループの中にいると他の人の意見を無意識にまねるようになり、どんな人を魅力的に感じるかというような一見個人的で直感的なことでさえ、それと自覚することなく、周りの人の見方に合わせるようになるのだ。

グループというのは、その場の支配的ないしはカリスマ的な人の意見に従うもの。優れた話し手であることとアイデアが優れていることの間に相関なんて全くないにもかかわらず。一番良いアイデアを持つ人に従っているのかもしれないし、そうでないのかもしれない。でもあなたは本当に運任せにしておいて良いのでしょうか? みんな1人になってグループの影響を離れて自分のアイデアを出し、それから集まって、よく管理された環境で話し合う方がずっといいと考えませんか?

内向的や無口、孤独に対する人々の態度を変える三つの行動】

1番目、絶えずグループ作業するなんて馬鹿なことはやめよう。ここではっきりさせたいことは、職場ではうち解けたカフェのようなおしゃべりによる交流を促すべきだ。人々が会って、偶然的にアイデアを交換するようなやり取りである。これは内向的な人にも外向的な人にも素晴らしいもの。しかし、私たちにはもっと職場におけるプライバシーと自由と自律性が必要である。学校も同じだ。子どもたちに一緒に作業する方法を教えるべきだが、自分で作業する方法も教える必要がある。これは外向的な子どもにも重要であり、自分で作業する必要があるのは、それが深い思考の生まれる場所だからである。

2番目、荒野へ行こう。仏陀のように自分の啓示を見つけよう。みんな今すぐ出かけて森の中に小屋を作り、もう互いに話すのをやめましょうと言っているのではない。彼女が言っているのは、電子機器から離れて自分の頭の中に入る時間をもう少し増やしましょうということ。

3番目、自分のスーツケースの中身をよく見て、なぜそれを入れたのか考えてみよう。外向的な人は、スーツケースに本が詰まっているかも知れないし、たくさんのシャンペングラスか、スカイダイビングの装備が入っているかもしれない。それが何であるにせよ、様々な機会にそれを取り出して、自分のエネルギーと喜びを他の人にも分け与えてみよう。内向的な人は、きっと自分のスーツケースの中身を守りたいという衝動を感じると思う。それは構わない。でも時々は、スーツケースを開いて見せてほしい。世界はあなたと、あなたが持っているものを必要としている。

【最後に】

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

皆さんに最良の旅と、静かに話す勇気がもたらされますように。

 

 

 

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力