〖Ted〗嘘の見抜き方:パメラ・メイヤー


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今回のTedトークスは嘘の見抜き方(How to spot a liar)について語ったパメラ・メイヤー氏によるものです。

私たちは1日に10~200回ほど嘘をつかれており、嘘を見抜く手掛かりはとてもとらえにくく、また直感で自然に分かるものでもない。「しょっちゅうウソをつかれてしまうあなたへ 」の著者パメラ・メイヤーが、嘘の手法と、嘘が多く使われている場面でどうやって訓練をした「嘘を見抜く専門家(嘘発見人)」が嘘の検知を行うのか、その方法を見せてくれる。 また「正直さ」は守るべき価値観であると彼女は主張している。


How to spot a liar | Pamela Meyer

【初めに】

皆さんを警戒させるつもりはありませんが、気がついたのでお知らせします。あなたの右隣の人は嘘つきだ。左隣の人も嘘つき。そして、あなたの周りにいる皆さん自身が嘘つきである。私たちはみな嘘つきなのだ。今回は、私たちがなぜ嘘つきなのかについての研究結果をお見せし、どうすれば嘘を検知できるようになるのか。また、私たちはなぜ 嘘を見抜き、真実をみつけ最終的に信頼関係を築くために努力しようとするのかについてお話したいと思う。

 

【嘘の本質とは】

「誰もが 己の願望のためには 進んで何かを差し出すものだ」 これが嘘の本質なのだ。 あなたが騙されたくないと思うのなら自分の願望を知る必要がある。私たち皆が認めたくないことだ。「もっと良い夫に、妻になりたい」「もっと賢くなりたい」「もっと権力を持ちたい」「背が高くなりたい」「お金持ちになりたい」と、望みは尽きない。私たちの願いや夢想と現実の差を埋めようとするのが嘘なのだ。実際の自分と こうありたい自分こんな風だったらと思う自分との差。私たちは進んで現実との差を嘘で埋めようとする。

 

【人間は嘘をつく生き物】

研究によると、私たちは毎日 10回から200回嘘をつかれている。確かにうした嘘の多くは罪のないものである。別の研究によると 初めて会う人同士は最初の10分で 3回嘘をつくという結果もでている。この結果を信じない人もいるが、それは、これほどにも 嘘が溢れているとは信じられないからである。私たちは本質的に嘘を嫌う。しかし、もっと詳しく見てみると事態はいっそう込み入っている。私たちは職場の同僚より見知らぬ人により嘘をつく。外向型の人は内向型の人よりもより嘘をつく。男性は他人のことより自分のことについて8倍嘘をつく。 女性は他の人を守るためにより嘘をつく。もしあなたが平均的な夫婦なら 10回の会話で1回は 嘘をついている。これはひどいと思われるだろうが、独身なら3回に1回に増える。

【嘘をつく時のしぐさ】

一つ目はボディランゲージ。しぐさについては思いこみを一度全部捨てて、科学によって考え方を少し変えてみよう。私たちは嘘つきは始終そわそわしていると思っているが、嘘をついているときは上半身を動かさない。嘘つきは目を見ないと思っていますが 嘘つきはこのことを逆手にとって、余計に長く目を見つめる。熱心さやほほえみは正直さや親密さをあらわすと思われているが、訓練された嘘発見人は偽の微笑みを1キロ先からでも見抜くことができる。どちらが偽の笑いかわかりますか? ほほの筋肉は意識して動かすことができるが、本物の笑みの場合は目じりに小じわができる。ボトックス注射をしすぎると特に目の筋肉は動かせなくなるのでやりすぎに注意。誰もあなたを信頼しなくなりますよ。

二つ目は態度。これは詐欺や犯罪を犯した際の取り調べでの研究結果であるが、無実な人は協力的であなたの味方だという態度を示し、熱心に自分から進んで 真実をみつける 手助けをしようとする。一緒に考え、疑わしい人の名前をあげたり詳細な話をする。例えば、こんなことを言うかもしれない。「給料を改ざんしたのは給与計算課のあいつかもしれません」と。 無実の人は不当に疑われていることがわかったら一瞬ではなく、 取り調べの間ずっと激昂する。 改ざんの犯人に対して どんな処罰を与えるべきか無実な人に質問すると、寛大ではない厳しい処置をするべきだと答えることが多い。

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では、これと全く同じ質問を嘘を付いている人にしてみるとしよう。その人は体を遠ざけて下を向き、声を低くし尻込みし、ぎこちない態度をとる。嘘をついている人に話をさせると重要でないすべてのところに細かい説明をつけすぎる。そして、厳密に時系列に話をする。訓練された尋問者は、数時間にわたる尋問でさりげなく少しずつ検証する。 同じ話を逆さまに話してください、と頼んでその人が落ち着かない時を探し、どの質問が最も疑わしい兆候があったのかを見極める。

なぜこの方法なのか?人は同じように準備するからだ。嘘をつくときに話のおさらいはするが、身振りまでは練習しない。「はい」といいつつ頭を「いいえ」と振ったり、非常に説得力のある話をしながら肩をわずかにすくめたりする。恐ろしい犯罪を犯した時に、逃れられた安堵から笑みを浮かべる。この笑みは「duping delight(欺瞞者の喜悦)」として知られている。

 

【真実を見抜く】

真実がどのように表されるのかについての科学技術は進歩している。例えば、視線追跡装置や赤外線脳スキャン、嘘をつこうとしている時に体から発される信号を解読するMRIなどがある。こうした技術が世界中に売り込まれるだろう。 いつの日か詐欺に対する万能薬として、こうした機器は非常に便利になるだろう。しかし、それまでは自力で嘘をみつけなければならない。人と対面する時、協力してもらうとしたら嘘を見抜く訓練を受けた人と180キロの嘘発見器を引きずって持ち込もうとしている人。どちらがいいだろうか?

嘘発見人は人間的手段に頼る。それは、誰かが言った「影に隠れた人格」のことをよく知っているからだ。ただ、それなのに面白いことは今の私たちには影がほとんどないことである。私たちは24時間白日のもとにいる。私たちの世界はつつぬけ。

今もこうして、ブログやSNSで自分達の生活を公開することを選んだ全く新しい世代の人々が、噂話を公開している以前に比べて遙かに真実が見えにくくなった世界である。私たちに与えられた一つの課題は、過度な共有は正直さではないということを覚えておくことだ。熱狂的なツイートやテキストメッセージは、さりげなく表される良識や高潔さが常に大切であり、これからも大切だということを見失わせてしまう。つまり、この真実が見えなくなった世界で私たちに必要なのは、今までよりもほんの少し自分の道徳基準を明確に示すことだ。

科学的な嘘識別とよく見て聞き出す技を組み合せれば、科学的な嘘識別とよく見て聞き出す技を組み合わせれば、嘘に乗せられずにすむ。あなたは今よりほんの少し、明確に示す生き方を始める。なぜなら、あなたは周囲の人に対して 「私の 私たちの世界を 正直な世界にするの 真実が力を増し、偽りは悟られてしまって効果の無い世界になる」と言うからだ。これを実践していけば、周りがほんの少しずつ変わり始める。

それこそが真実なのだから。

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【最後に】

最後まで読んでいただきありがとうございました。

現代では様々な間違った情報がSNS上であふれかえっている。その中で、正しい情報を読み取り真実を見極める能力を培ってほしい。皆さんによい人生が訪れますように。

 

 

しょっちゅうウソをつかれてしまうあなたへ

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